NCファイル出力

  ファイル出力を選択すると、処理対象データ(即ち主画面で表示されているデータ)をNCデータとして出力するため、以下のダイアログが表示されます。

  出力は、設定したTコードが同一の物を1つの加工ブロックとして出力します。「HolT番号」単位で出力されるのでは無いので、異なる「HolT番号」に対して同一の「Tno」をセットした場合は、それが1つのブロックとして出力されますので注意して下さい。

  
         NC出力ダイアログ、表示先頭(1ページ目)

  本ダイアログ画面は、3つのページ(タブシート)を持ちます。

  (A) 基本フォーマット : 上記の画面
    (B) 特殊ホール加工設定画面 : 次節の画面
    (C) 日立ヘッダ設定 : 次々節の画面

 この3つのページは常時表示されるものでは無く(基本フォーマットは必ず表示)、通常のNCデータでは、上図の「基本フォーマット」設定画面で出力の各条件を設定する事により、所定のNCファイルが出力されます。以下に「基本フォーマット」の各設定項目、ボタン、メニュについて説明します。
 (B)長穴等を含むデータの場合の加工法や、(C)日立形式出力時のヘッダー定義については、その表示の有無と内容は次節以降を参照して下さい。

 

[設定項目]

@出力ファイル名
現在の編集対象のNCデータを出力するファイル名を設定します。出力ファイル名右側の「・・・」ボタンにより、ファイル名保存ダイアログが開きますので、そこでファイル名をセットして下さい。直接入力も可能です。

A出力形式
出力するNCファイルの形式を指定します。

・通常 : 一般的なNC加工機に使用されるデータフォーマットで出力します。(注1参照)

・日立Via : 日立Via社のNCフォーマットに準じた形式で出力します。先頭に各Tコード番号対応したドリル径が、TxxCxx」の形式で出力されます。なお、「ホールテーブル」で2個以上の「HolT番号」のホールに同一の「Tno」をセットされて場合は、「ホールテーブル」中のより小さい「HolT番号」のホール直径相当値が「Cxx」の値となります。(注1参照) 

B座標系
出力するNCファイルの座標の数値のインクリメンタルまたはアブソリュート形式を指定します。

・アブソリュート : 出力NCデータ中の「X???Y???」で表される値を絶対座標で表現した出力をします。

・インクリメンタル : 出力NCデータ中の「X???Y???」で表される値を、加工中のドリルが存在する位置からの増減分として表現した出力をします。

Cデータ単位
出力するNCファイルの座標の数値単位が、「メートル」か「インチ」を指定します。

Dデータ形式
通常NCデータの座標値は小数点を持たない整数値で表現されます。この整数表現の数字で小数点以上の桁数と小数点以下の桁数を指定します。上記図の「4.3」の場合、小数点以上が4桁、小数点以下が3桁を表し、例えば29.18mmの値は、ノンゼロサプレスの場合は「0028180」の様にNC出力されます

Eヒット形式
NCデータ中のドリルのヒット命令の発行法を指定します。

・G81 : ホール加工を行う部分の座標値を、「G81〜G80」の命令によりブロック化します。

・M05 : ホール加工を行う部分の座標値の後ろにM05の命令を付加して出力します。

・M07 : ホール加工を行う部分の座標値の後ろにM07の命令を付加して出力します。

・全ヒット : 全ての出力座標値が、ホール加工を行う座標値で有る様に出力します。

Fゼロ省略
NCデータ中の座標数値の表現法を指定します。(注2)

・リーディング : データ形式の例で「0028180」の座標数値を、「28180」の様に出力します。即ち「リーディングゼロサプレス」の意味です。

・トレーリング : データ形式の例で「0028180」の座標数値を、「002818」の様に出力します。即ち「トレーリングゼロサプレス」の意味です。

G終端コード
出力されるNCデータの終端の出力コードの指定で、「M05」・「M30」・「無し」のいずれかを指定します。

HG90/G91出力
NCデータ自体にその座標表現がインクリメンタルかアブソリュートか判る様にG90/G91のコード出力を行うか否かを指定します。

I原点復帰
ドリル加工が完了後に、原点位置にドリルを送る命令を追加出力するか否かを指定します。これは当然ドリルヒット対象外の点であり、ヒット形式で「全ヒット」を指定した場合には、このチェックは意味を持ちません。各チェックの内容は以下の如くです。
 ・無し:原点復帰座標値は出力されません。
 ・ツール毎:Tコード単位で原点復帰座標が出力されます。
 ・終りのみ:最後のM02/M30等の終端コード前にのみ原点復帰座標出力します。

J出力データ
対象データが本ソフトウェアでソートしてある場合に、元のデータ並び順で出力するか、本ソフトウェアでソートした順で出力するかを指定します。

・オリジナル : ソートの有無にかかわらず、NCデータを読み込んだり、作成した時のデータ順でNCデータを出力します。ただしTコード毎のブロック化やそのTコードブロックの出力順は、本画面指定値に従います。

・ソート後 : 対象データがソートしてある場合、そのソート順に従い出力されます。但し、Tコードブロックの出力順は「ツール出力順」の指定に従います。ここで、一部のデータはソートして有るが、一部のデータが未ソートの場合は、未ソートのデータはソートデータの後にオリジナルデータ順の規則で出力されます。全データが未ソートの場合はオリジナルと同じ結果に成ります。

K出力時オフセット
データ出力時に元データの座標値をオフセットする量を指定します。例えば10mm,10mmを指定した場合は、元データで(10,10)の座標点がNC出力データではX0Y0と成ります。本ダイアログは開かれた時の初期値は、「起動時画面」で指定されている「グリッド原点座標」の原点がX0Y0で出力される様にこの値がセットされています。(注3参照)

L出力時ミラー
データ出力時に元データの座標値にミラーをかける場合そのミラー方式を指定します。(注3参照)

M回転と中心
データ出力時に元データの座標値を回転する場合にその回転角度を指定します。回転は、元データをここで設定された角度分反時計回りに回転させた座標がNCデータとして出力されます。また回転は中心で指定した元データ座標値を中心として行われる。(注3参照)

NXY軸交換
データ出力時にデータのXとYを値を交換した値で出力する。(注3参照)

O出力Gp
現状の処理対象データが、複数のグループから成る場合に、出力対象グループを選択する。NCデータの専用システムの場合、通常「1」が表示され、変更不可。

Pツール出力順
出力するNCデータのTコードブロックの出力順を指定する。初期ではT番号の小さい順からの順番が自動的に付けられているが、ここで「0」を指定したり、順位を変更すると、その変更順(「0」を指定した時はそのTコードのホールはNCとして出力されない事を意味する)に出力される。
同一の「順番」が指定された時は、Tコード番号が若い方が先に出力される。
なお、これはホール加工される座標自体の出力順を決めるもので、「日立Via」形式出力時の「TxxCxx」のツール径の出力順は、Tコード番号順です。

(注1)
「日立Via」形式を選択した場合、「G48」のヘッダブロックでのTコードとそのドリルサイズ以外の出力定義を行えるタブシート「日立ヘッダ設定」が表示されます。

(注2)
「ノンゼロサプレス」の出力フォーマットは有しません。

(注3)
複数の座標変換形式が指定されている場合は、「ミラー」->「オフセット」->「回転」->「XY軸交換」の順で座標変換が行われます。この様な場合は、出力NCを再度読込画面で座標確認を行って下さい。

(注4)
出力データが長穴や加工円の特殊なホールを持つ場合、それらのNCデータの出力形式を指定する「特殊ホール加工設定」タブシートが表示されます。

 

[ボタン]

.ファイル保存 : 画面表示されている「設定項目」に従いNCデータ出力を行います。処理対象データが、1グループデータしか無い時(通常のNCデータ処理プログラムの時)は、本ダイアログが閉じます。

・終了/中止 : 本ダイアログを単純に閉じます。編集対象データが複数のホールグループを持つ場合に意味を持つボタンで、通常のNCデータ処理の場合、1グループデータしか無いので、このボタンは中止(出力キャンセル)の意味となりますので注意して下さい。

 

[メニュ]

@「フォーマット設定」−「初期値として保存」
現状の「設定項目」を、出力グループ、ツール出力順を除き、初期値として保存します。これは、後述の「初期値に変更」や「次回フォーマット=初期値」により呼び出す事が可能です。

A「フォーマット設定」−「初期値に変更」
現状の「設定項目」
(出力グループ、ツール出力順を除く)を、上記@で保存した値にします。

B「フォーマット設定」−「前回値に変更」
現状の「設定項目」(出力グループ、ツール出力順を除く)を、本ダイアログを用いて最後に出力した値にします。

C「フォーマット設定」−「次回フォーマット=初期値」/「次回フォーマット=前回値」
このメニュはクリックする度に変化するターンスイッチ型で、次回に本ダイアログを開いた時の「設定項目」(出力グループ、ツール出力順を除く)を初期値とするか、最後の出力を行った時の値(前回値)とするかを指定します。

D「フォーマット設定」−「加工法ファイル保存」
特殊ホール加工設定」タブシートの設定内容をファイルに保存します。

E「フォーマット設定」−「ヘッダファイル保存」
日立ヘッダ設定」タブシートの設定内容をファイルに保存します。


[キーワード]
 ・NCデータ出力
 ・日立Viaの出力形式
 ・リーディングゼロサプレス
 ・トレーレイングゼロサプレス
 ・ノンゼロサプレス
 ・座標変換(NCデータ出力)

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